- 作者: 北村庄吾,小林秀星
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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起業全般について広く薄く説明している本が読みたくて、買ってみました。概ね希望通りの内容。ざっと纏めてみる。
起業とは
起業する目的
理想と理念と情熱が必要。起業はそれを達成する手段。ダメなパターンとしては、起業それ自体が目的になっていたり、金儲けが目的になってたりする場合。
起業することで得るもの
夢を達成するための自由と時間。精神的な満足。収入が増加する可能性。新たな人脈。
起業することで失うもの
休日だとか有給休暇だとか。安定した収入。失業保険。いままでの地位。
家族の理解
家族の理解なくして起業はできない。
ビジネスプラン
危険度
どの分野をビジネスのターゲットにするかで危険度が違う。
- 経験したことがある分野
- 危険度50%
- 異業種と連携して、新しいサービスをつくる
- 分野を絞って専門性を高める
- 未経験の分野
- 趣味などの好きな分野: 危険度が下がる
- 全くの新しい分野: 危険度が高い
アイデア
日常の「なぜ?」に注目してアイデアを練る。困っていることとか、もっと便利にしたいこととか、もっと安くならないか等。アイデアが浮かんだら、それを3人の人に話してみよう。思いついたアイデアは、概ね「ひとりよがり」なものだから、別の視点から意見をもらおう。
事業計画
ビジネスプランが浮かんだら、それを事業計画に纏める。事業計画を作成する目的は、
- 事業として成り立つかを検証する
- 第三者へのプレゼンテーション
- 融資や出資を受けるため
- 業務提携や取引のため
表紙、ビジネスプラン名、概要
事業計画の冒頭に、事業内容を簡潔に表現しておく。キャッチフレーズみたいなのをつけるのも良い。
事業内容
以下の内容を含める。
- 商品やサービスの内容
- 顧客(誰をターゲットにしているのか)
- 市場規模
- ニーズの分析や市場規模が分かる客観的なデータ(アンケートとか)
- 同業分析
- 同じ地域に同業者がいるのか?同じ業界の業者と競合しないか?どう差別化するか?
事業計画
収益をどのような仕組みであげるのか。
財務計画
収支については、少なくとも3年分の損益計画を立てておく。1年目は月単位で、2年目は四半期単位で、3年目は半期または年度単位で計画をたてる。資金調達やキャッシュフローに関する計画も必要。営業活動、投資活動、財務活動におけるキャッシュフローをそれぞれ考える。
リスク
ヒトのリスク、モノのリスク、カネのリスク、その他。全てリストアップする。
他に・・・
プロフィール(自分を含めた経営体制等)だとか事業計画のステップ(3年分)も書いておく。
事業資金
少なくとも一年間売上ゼロでも生活できること。資金の調達方法は幾つかある。
- 融資
- 出資
- 投資専門会社
- 助成金
- 返さなくてもいい金なので、積極的に利用したい。
設立
会社の形態をどうするか
個人事業主にするか、法人にするか。それぞれメリット・デメリットがあるので、ちゃんと検討すること。
会社法
もにょもにょもにょ・・・。
もろもろ
会社の名前と事業内容を決める。何をする会社か目的をはっきりさせましょう。あと決算期を決める。あと定款を作る。定款とは会社にとっての憲法。商号。役員。払い込み金融機関。資本金の用意。などなど・・・。
設立後の手続き関係
これも色々ある。銀行に口座をつくって資金を移すとか、青色申告をしておく(欠損金の繰り越しができる)とか、消費税の算出方法を選択する(2種類あって、それぞれメリット・デメリットがある)とか、源泉所得税の納付(納付期限を過ぎるとか延滞税が・・・)とか、とか、とか・・・。
役員報酬について
役員報酬は税務上は損金。だから所得から差し引かれる。一方、役員賞与は利益処分項目。だから所得から差し引けない。役員賞与よりも役員報酬の方がお得だが、何が賞与で何が報酬かについては、税務当局とトラブルもよく起きる。気をつけろ!