これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

ブルー・オーシャン戦略(4) 原則2「細かい数字を忘れ、森を見る」

ブルー・オーシャン戦略のまとめ続き。2つ目の原則についてです。

森をみる

戦略策定のプロセスでありがちなことは、細かい数字や資料集めに走ってしまうことだ。
戦略策定時に重要なことは独創的な発想をしたり、競争から逃れるための明快なビジョンを描いたりすることだが、それを忘れてしまっている。細かい数字を忘れ、森をみるようにしょう。

4つのステップ

戦略策定のための4つのステップを示す。

その1「目を覚ます」

良くある失敗として、現状の理解が無いまま「如何に変えるべきか」を議論することがある。また、変化の必要性を認めない経営陣もいる。
まず、現状を正しく理解する必要がある。自社の価値曲線を描いてみることは、気づきのきっかけとなるだろう。目覚まし時計の役割を果たしてくれる。

その2「自分の目で現実を知る」

次に現実を自分の目で確かめてみることだ。自社の製品・サービスがどう使われているのか?あるいは、どう使われていないのか?どんな補完財や補完サービスが使われているのか?それらを新たな戦略のヒントにできないか?
これらは決して外部に委託してはならない。必ず自分の目で見るようにしよう。

その3「ビジュアル・ストラテジーの見本市」

新しい戦略を価値曲線として描いてみよう。1つだけではダメだ。たくさん描こう。
次にフィードバックをもらおう。社外関係者に戦略の候補を見てもらうのだ。社外関係者とは、非顧客層・競合他社の顧客・要求条件の厳しい顧客等が該当する。
その際、価値曲線を説明することになるが、その説明は10分以内に行うこと。もし、説明に10分以上かかる場合は、その戦略は複雑すぎて優れていない傾向にある。
フィードバックをもらうと、それまで当然だと思っていたことが実は重要ではなかったり、全く見落としていた点に気づけたりする。

その4「新戦略をビジュアル化」

新戦略が策定されたら、それを従業員が理解しやすいように表現を工夫する。現状の自社の位置や、これから明るい未来を切り開くために何に力を注ぐのか、誰でも分かるようにするのだ。

戦略のビジュアル化

PMSマップ

戦略をビジュアル化するのに、PMSマップが使える。
PMSマップとは、縦軸にP:パイオニア(Pioneer)・M:移行者(Migrator)・S:安住者(Setter)を、横軸に現在・将来を配置する。

  • パイオニアはブルー・オーシャン開拓の担い手である。顧客に提供する価値を格段に引き上げる。
  • 安住者の価値曲線は標準的で、レッド・オーシャンでくすぶっている。
  • 移行者はパイオニアと安住者の間に位置する。価値曲線を変えるほどではなく、バリュー・イノベーションに至ることはない。

PMSマップの意義

PMSマップを描くことで、将来の業績へ思いを馳せることができる。従来の戦略論は、現状を示す尺度は示しているが、将来への道筋は示していない。

留意すべき事項

留意すべき事項として、単純にパイオニアは良くて、安住者はダメだとするのは危険である。
一般的に、安住者に位置する製品やサービスは現在の大きな収益源であり、またパイオニアとなる製品やサービスは、その初期段階において多大なコストがかかるものである。その時々で、パイオニアと安住者のバランスを上手くとってやる必要がある。


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