これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

ブルー・オーシャン戦略(8) 原則6「実行を見据えて戦略を立てる」

ブルー・オーシャン戦略のまとめ続き。6つめの原則について。

人々の不安と憤り

戦略立案に関わらなかった人達は、不安や憤りを覚える可能性がある。結果、下記のリスクを抱える可能性がある。

  • 信頼や協力の欠如
  • 妨害行為

これらのリスクを低下させるポイントは、公正なプロセスである。

プロセスがお粗末では、戦略の実行はおぼつかないのである。人々は、成果と同じくらい、成果に至るまでのプロセスを気にかけるものだ。

公正なプロセスがもたらす効果

プロセスを公正にするために
  • 取り決めに参加する機会を与える
  • 意志決定内容を説明する
  • どんな事を期待しているのか明快になる


プロセスを公正にすることで、下記の効果を期待できる。

  • 自分の意見が重んじられている感覚をもってもらえる
  • 自発的な協力が得られ、義務を超えた行動をしてくれる

結果、期待を超えた水準で戦略を実行することができる。

公正なプロセスであるためのポイントは「3つE」である。

3つのE

関与(Engagement)

戦略策定時に、広く意見を求めることで、アイデアや仮説に対する反論の機会を与えよう。このことが、一人一人の従業員とその考え方を重視している、というメッセージにもなる。

説明(Explanation)

戦略を決めるに至った理由を、関係者全てに説明しよう。
どのような考えに基づいて判断したのか。みんなの意見を考慮した上で、会社の利益を考え、最終的にこうなったんだ、と説明すること。そうすることで、戦略に対する皆の理解を引き出すことができる。

明快な期待内容(clarity of Expectation)

期待水準をあらかじめ説明しておこう。どんな基準で評価されるのか。その基準に届かなかった場合、どんなペナルティがあるのか。

重要なこと

新しい目標や、期待内容、責任の所在が定まっていることは当たり前。加えて、それらがはっきりと理解されているかどうかが、とても重要である。

知性や感性を認める

公正なプロセスを通して、一人一人を評価していることが伝わる。
人はないがしろにされると、憤りを感じ、持っているアイデアや専門性を抱え込んでしまう。更に悪いケースでは、仲間の知的価値の否定へ走ってしまうこともある。その結果、人々は行動への熱意を失ってしまう。
最終的に出来上がった戦略がどんなに素晴らしいものでも、策定したプロセスがいかがわしく感じると、出来上がった戦略も信頼されないのである。

戦略を後押しする

公正なプロセスを柱にすえておくと、最初から実行を見据えた戦略になる。公正さが保たれれば、戦略自体を好ましくない、あるいは適切でないと思ったとしても、人は後押ししてくれる。