ブルー・オーシャン戦略のまとめ続き。これで最後になります。
模倣を防ぐメカニズム
ブルー・オーシャン戦略には、模倣を防ぐメカニズムが組み込まれている。
- バリュー・イノベーションは従来の戦略論に染まった人には理解できないだろう。
- 模倣することで自社のブランドイメージを損なうリスクがある場合、その模倣が自分達のビジネスモデルを否定することになる。
- バリュー・イノベーションの規模が拡大すると、急激にコストが下がることになる。これは模倣を目指す企業にとって、非情に不利になるだろう。
- ネットワークの外部性が働く場合、つまり利用者の増加がそのまま利用書のメリットになる場合、後続の企業は模倣するのが難しくなる。eBayのようなオークションサイトがこれに該当する。
- ソーシャルブックマークサービスやSNSもそうだな。Web2.0系はこの傾向が強いのかも。
- 模倣するにあたって業務オペレーションの最適化や社風、社内政治のあり方を変えなければならない場合、実践するまでの期間がそのまま先駆者のメリットになるだろう。
- 人気が沸騰し、ブランドととして確立することができれば、多くの顧客から忠誠心を向けられるだろう。
再びバリュー・イノベーションに挑むタイミング
とは言え、どのようなブルー・オーシャン戦略でも、いずれは模倣される。模倣者が現れたとき、顧客を失うまいと守りを固めることになる。そうすると、戦略の思考や行動の中心に、顧客ではなく競合他社を据えることになってしまう。
価値曲線に絶えず目を光らせよう。競合他社と似通った曲線を描くようになってきたときが、次なるブルー・オーシャンの創造を目指すタイミングである。逆に、価値曲線にメリハリ・独自性・メッセージ性があるうちは、次のバリュー・イノベーションへの誘惑は抑えよう。利益の流れをより長く、より広く、深いものにすることを考えよう。ブルー・オーシャンをできるだけ速く泳ぎ続けるのだ。
今、もっともブルー・オーシャンを速く泳ぎ続けているのがGoogleなんだろうな。模倣者が全く追いつけないスピードで。
最後に強調
高い業績を維持するためには、競争相手のひしめく市場でシェア争いに血眼になるのではなく、ブルー・オーシャンの創造を目指す必要がある。しかしながら、現実問題としては、現在の収益の柱であるレッド・オーシャンと将来の収益のためのブルー・オーシャン、この2つの海での繁栄を目指すことになるだろう。
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/06/21
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