これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

読書履歴:社長の時間の使い方

儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方
吉澤 大
日本実業出版社
売り上げランキング: 5699
おすすめ度の平均: 5.0
4 良くまとまった中小企業経営術
4 あなたの組織にはまれば、よし!
5 耳が痛いことだらけ・・・
5 仕事観が変わりました。
5 経営者は是非読んでほしい1冊!


「時給」を意識することで時間の使い方が変わる、という趣旨の本。中小企業の社長をターゲットにしているせいか、今までの時間術系の本とはちょっと毛色が違うようである。だからこそ、色々と刺激にもなる。現役社長や将来社長を目指す人は勿論、普通の会社員の人が読んでも、全く問題ないんじゃないだろうか。間違いなく何らかの学びが得られる。


一貫して「時給」を指標とすることで、色々な切り口でビジネスを考えることができるものだと思った。

  • 良いお客様かどうかを判断するために報酬額を作業時間で割る
    • 売上が大きければ良いというものではない
  • 効率良く時給を上げるためのビジネスモデルは?
    • 高い粗利益率を実現するための商品やサービスは?
    • お客様に繰り返し利用して貰うためには?
    • 売掛金や買掛金、在庫の捉え方
  • 他人にやって貰うための仕組みとしてのマニュアル、チェックリスト
  • 最適品質と経済品質の違い
    • 顧客満足の大義名分に隠れた自己満足に気をつける
  • 閑散期を週休3日にして時間当たりの効率をコントロールする
他人の協力を得るためにもマニュアルとチェックリストを

私たち会社員にとって、直ぐにでも活用できそうなのがマニュアルとチェックリスト。これが素晴らしい。会社で後輩を教育(あるいは引き継ぎ)しなければならないとか、あるいは副業をやっているけど時間的に辛いので誰かの手を借りたい、そんな人には最適の内容ではないかと思う。

マニュアルとは臨機応変な対応をしてもらうための第一歩となる(P105)

ある程度慣れた人であれば、突発的に起きる事態に対しても臨機応変に対応することができるだろう。しかし、それは前提として、その業務の基礎的な部分が身に付いているからだ。それを提供するのがマニュアルの役割なのである。
また、職人技が中心でマニュアル化なんてできそうもない業務についても、マニュアルは役に立つと著者は言う。職人技のような世界でも、必ず言語化・計量化が可能な部分があるのだ、と。そこだけでもマニュアル化することによて、習得スピードは一気に上がるのである。
本書にはマニュアル作成の方法も記載されているので、マニュアルを作ってみたいと思った人に大変参考になるのではなかろうか。


また、チェックリストの存在も重要である。チェックリストは、以下のような効果をもたらしてくれる。

  • 仕事の守備範囲を明確にできる
  • チェックの過不足をなくす
  • 熟練者のうっかりミスを減らす
教育に加え、誰もができる仕組みを作る

それぞれの能力の人に合うように仕事を一つひとつのモジュールに分解すると効率が上がる(P126)

1つの業務を完遂するには、90点の能力の人材が必要だとしても、その業務の全ての作業に90点の能力が必要なわけではない。だから、業務を上手く分解することで、

  • 90点の人がやらなければならない部分
  • 60点で出来る部分
  • 40点でできる部分

といったように、要求レベルの低い仕事を切り出すことができる。こういった仕組み作りを意識するのも、他人の手を借りるには大切なことだろう。

本書から得た信念と質問

読書からの学びと気づきを増やすために、今回から読書履歴にコレを付け加えようと思う。本ブログの読者の参考にもなれば幸いだ。

信念

効率良く時間を使うことで、仕事以外に時間を割く余裕が生まれ、それが豊かな人生をもたらす。

気づきを得るための質問
  • この仕事の時給はどれくらいか?
  • 私の時給が上がらない/下がる原因は何か?
  • 時給を上げるためにやれることは何か?

あわせて読みたい

業務マニュアルについては、こちらの本も参考にしてほしい。以下、書評エントリからの引用。

業務マニュアル。
この言葉を聞いて嫌なイメージを持った人に、是非、この本を読んで欲しい。私自身、マニュアルというものに抵抗感を感じる人間でした。でも、この本を読むと、それが180度変わります。