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意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

地道にビジネスを改善するための実用書だ:ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

サイズの大小に関わらず、事業を営んでいる方にオススメの書籍が「ビジネスモデル・ジェネレーション(Business Model Generation)」です。この本に出てくるビジネスキャンパスというツールが、とても使い勝手良い。

 

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書
アレックス・オスターワルダー イヴ・ピニュール
翔泳社
売り上げランキング: 1,858

 

ビジネスについてしっかりと学んできた人であれば、もしかしたら本書は不要なのかもしれない。

しかし、例えば技術者出身で起業を志すといったケースでは、技術力はあってもビジネス面は素人ということが多々あります。こんな状態でビジネスについて一生懸命考えても、めちゃくちゃ非効率なんですね。

 

ロジカルシンキングでは”モレなくダブリなく”対象を分析することが求められますが、それって結構難しいことだと思います。特に対象領域に関する理解が不足していると、視点が欠けていることにすら気付けません。

知らないことは、そもそも頭に浮かばない!

で、どう売ったらいいのか分からず、行き着く先はついつい「良いものを作れば売れる」だったりするわけです。というわけで、ビジネスをビジネスとして成り立たせるための思考は、商品やサービスに関するそれとは全く別物なのですね。

 

本書「ビジネスモデル・ジェネレーション」は、いざビジネスをたちあげてみたものの、どうにもお客様を集められず、四苦八苦している方にオススメです。本書で紹介されているビジネスモデルキャンパスは、ビジネスの全体像を把握しやすくしてくれるツールです。

この全体像ってやつを把握するのが、実はとても「使える」のです。

 

ビジネスモデルキャンパスには、ビジネスが成立するための要件がモレなくダブリなく記述されている。こういうツールがあると、例えば次のような使い方ができる。

 

  • 自分がビジネスでやっている活動を、ビジネスモデルキャンパスに当てはめてみる。そうすると、何もやっていない空白地帯があることが分かる。こういった分析から、何を改善しなければならないかヒントを得ることができる。
  • あるいは、他の人がやっているビジネスを、同様にビジネスモデルキャンパスで分析してみる。そうすると、その人のやっていることが把握しやすくなる。
  • ビジネスに関するノウハウや情報が入ってきた時に、ビジネスモデルキャンパスを頭に浮かべながら考えてみれば、それがビジネス全体のどの部分について言及しているものなのかを判断しやすくなる。

 

結果、闇雲に改善したり、他人のやっていることや断片的な情報に踊らされるのではなく、全体の見通しを立てながら、狙いを持ってビジネスを改善していくことが可能になります。

本書を読んで、すぐに、そして劇的にビジネスが改善するなんてことは無い”です。ただ、地味で地道ではあるが、一歩ずつビジネスを改善していきたいのであれば、とても「使える」書籍です。

 

 

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