これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

時間を確認すると10分ほど余裕があった。だから僕は珈琲を飲むことにした。

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photo credit: bitzcelt via photopin cc

時間を確認すると、電車の時間まで10分ほど余裕があったんです。

だから珈琲でも飲もうかなと思って、僕は近くのセブン-イレブンに入りました。セブン-イレブンの珈琲、手軽で美味しいですよね。ちょくちょく利用します。

すると入り口に近いレジに先客がいたので、奥のレジにいってRサイズのホットを注文。カップを受け取って、さっそく珈琲を注ごうと機械の前にへと移動します。

が、よく見ると僕のものではないカップが置いてあって、珈琲が落ちてくるのを待っている様子。どうやら先に来ていた方が会計をしながら、先にカップを置いたようだ。

「会計終わったのは僕が先だよな〜、ていうかまだ会計の最中じゃん〜」と心の狭いことを考えながらも、まぁ、仕方が無いので順番が来るの待つことにしました。

 

ようやく珈琲を手に入れ、コンビニを出て横断歩道に向かって歩く。このコンビニから駅まで行くには、ちょっと先の横断歩道を渡らないといけないんです。が、運の悪いことに僕がたどり着く直前に赤信号に。あー、タイミング悪いなぁと思いつつ、やっぱり仕方がないので青に変わるのを待ちます。

この辺りで、ちょっと嫌な予感がしました。

…信号が変わり、駅に向かって歩き始めます。確認すると、電車の時間まで3分というところ。ちょっと…というか、かなり余裕がなくなってきました。本当ならダッシュしたいところなのですが、手には珈琲があって走るとこぼれてしまいます。

ああー、やばいなぁ。でも、次の電車でもギリギリ間に合うかー。そんな事を考えながら、急いで歩きます。予想通りというか、乗ろうと思っていた電車には直前で間に合わず。30秒早く着いていれば間に合ったのにー。

 

そんなこんなで己の見通しの甘さを再認識しながら、次の電車の時間を確認。何とかギリギリいけそう…。

焦っても仕方がないと自分に言い聞かせ、でもやっぱり焦りながら電車を待ちます。電車って自分では急ぎようがないので、こういう時って何だかジリジリしちゃいます。僕だけですかね。

で、そうやって待っている時にふと気づいたんです。この駅から1駅戻ったら別の路線で目的地に行けたよなぁ、もしかてその方が早く着いたりするんじゃね?、と。

 

ゴーストの囁きに従い調べてみると、乗り換えの関係で数分早く着くようです。おお、なんと!と思い、もうすぐ発車する時間のようなので少し迷いましたが、結局、急いでホームを移動します。だって時間ギリギリの時の数分は貴重じゃないですか。

ダッシュですよ。さっきできなかったダッシュ。自分の努力で時間を短縮できるって、素晴らしい。そしてホームに到着。閉まるドア。電車を見送る僕。ええ、また間に合いませんでした。

ナンテコッタイ…と思いつつ、もと居たホームの方に目を向けるとさっき乗るはずだった電車が来ています。今度は隣のホームから電車が発車するのを見送りながら、おもむろに携帯を取り出し、先方に遅れる旨を伝え謝罪をする僕でした…。

 

その後、電車の中で将棋棋士の渡辺明二冠が書いた「勝負心」を読む。そこに書いてありました。

平常心を欠けば、迷いが生じ、実力を発揮できなくなる。

ミスをしてしまった場合でも、いや、むしろそういうときこそ、平常心を保つことが大事になる。平常心を欠けば、どんな達人でも、正しい判断ができなくなってしまうからだ。

その通りだよ、明タン、君は正しい。

にこやかに「大丈夫ですよ~、慌てずにゆっくり来てくださいね~」と何ともありがたいお言葉を返してくれたお客様に感謝しつつも、渡辺明の言葉を30分前の自分に伝えられない無力さに肩を落とすのでした。

 

失敗したときこそ、平常心。これ大切。

 

勝負心 (文春新書 950)

勝負心 (文春新書 950)

 

 #ちなみにこの「勝負心」の読みどころは、一章分まるまる使って書かれた渡辺明による「羽生善治萌え」のところ。将棋ファンなら読んでおこう m9っ`Д´) ビシッ!!