これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

ユーザーを増やさない、という選択

昨日の続き。

価格が安いということは、ユーザーを大量に集めなければ纏まった売上にならない。ということは、それ相応の規模のユーザーを支えるだけのインフラや運用するための人員も必要になる。そうすると、今度はコストが大きくなって、利益を出すのが大変になる。ますますハードだなぁ、と思うわけです。

そもそも、Webアプリケーション(またはWebとデスクトップアプリの組み合わせ)で行くなら、ユーザーをたくさん増やさないという選択があっていいのだと思う。
それで、ユーザー数を厳密に操作することはできないが、2つの要因をコントロールすることで、ある程度影響を与えることができるのではないだろうか。その2つとは、

  • 価格帯
  • 市場のサイズ

だ。


価格帯は分かりやすい。安いよりは高い方が、購入者は減るだろう。問題は価格に見合った価値を提供できるか、だが。
価格設定については、ブルー・オーシャン戦略が参考になるかもしれない。基本的には

  • 資産や能力によって模倣するのが困難であれば、高い価格を設定可能
  • ネットワーク外部性へ依存していたり、規模の経済性を生かす必要があれば、価格を抑える必要がある

ということになる。
(参考:ブルー・オーシャン戦略(6) 原則4「正しい順序で戦略を考える」 - 今日とは違う明日


次は市場のサイズだが、マズローの欲求段階が参考になる。有名なので知っている人も多いと思うが、

生理的欲求
生命維持のための食欲・性欲・睡眠欲等の本能的・根源的な欲求
安全の欲求
衣類・住居など、安定・安全な状態を得ようとする欲求
所属と愛の欲求
集団に属したい、誰かに愛されたいといった欲求
承認の欲求
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求 
自己実現の欲求
自分の能力・可能性を発揮し、創作的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求

となっている。おそらく高次の欲求になるほど、市場サイズは小さくなると思われる。作成しているアプリケーションが、どの段階の欲求を満たそうとしているかで、ある程度は市場サイズのイメージがつくのではないだろうか。
SNSなどは、恐らく3段階の所属欲求(帰属欲求)を満たしているし、ニコニコ動画などはそこに承認欲求が加わる(うp主にとっては、動画コメントによって承認欲求を満たす場となっているから)。
で、多分、自己実現あたりをターゲットにすると、市場サイズは自然と絞られていくはず。タスク管理なんかは、ここに属していると思うんだよなぁ。