これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

習慣づくりに失敗する人の行動計画

習慣づくりは確かに簡単ではないが、あらかじめ気をつけることで、失敗の可能性を減らすことはできる。
何か新しい習慣を身につけようと決心したとき、大抵の人は習慣化すべき行動をリストアップするだろう。しかし、どうもこの計画段階で、上手くいかないように計画を立ててしまうことが多々あるようだ。
私自身の経験から、以下の3つが言える。

  • 「○○しない」を習慣化しようとする
  • 行動の達成基準が不明確
  • 行動が願望や価値観に沿っていない


1つずつみていこう。

「○○しない」を習慣化しようとする

何かを辞めたいと思っているとき、「○○しない」という行動を習慣化しようとする。例えば、ダイエットする人が

  • ご飯を食べ過ぎない

とするように。
しかし、これは難易度を高くしてしまうようだ。


習慣化は能動的なアクションにした方が、上手くいきやすい。
なぜなら、能動的なアクションには、実行直後に達成感を得られるからだ。
例えば、以下の例を比べて欲しい。

  • 勉強時間を確保するために、20時以降はテレビを観ない
  • 毎日、2時間は勉強する

前者の場合、行動を達成したかどうかは、1日が終わるまで分からない。それまでは、ひたすら欲求を我慢し続けており、かつ、その我慢に対する報酬が存在しない。これは、続かないことが多いように思う。
後者の場合、2時間の勉強を終えたその瞬間に、「やった、できた!」と達成感を味合うことができる。これが報酬になり、2時間の勉強に対して好印象を与えやすい。比較的、継続しやすい。


「○○しない」という行動は、これまでの悪習慣を辞めようとする場合に設定してしまいがち。
知恵を絞って、上手く能動的な行動に置き換えてみるといいのではなかろうか。

  • 晩御飯を食べ過ぎないようにする → 健康的な晩御飯の献立を考えて作ってみる

など。

行動の達成基準が不明確

やったかやらなかったかの判断が、極めて主観的になってしまう場合、ごまかしが生じやすい。
例えば、

  • 毎晩、勉強を頑張る

などは達成できたかどうか、極めて不明瞭だ。
こういう場合、心のどこかで「今日は微妙だな〜・・・」と思っていたとしても、「いいや!やったことにしてしまえ!だってry」と自分を誤魔化そうとする。
しかし、自分を本当に誤魔化すことなどできないので、せっかく立てた計画そのものの価値を、自らの手で貶めていくのである。
結果、どうでも良くなってやらなくなる。


達成基準を明確にすると、客観的に判断できるので誤魔化しようがない。

  • 毎晩、英語のテキストを10ページは進める

このような行動を設定したなら、達成したかどうかは明らかだ。3時間勉強しても、結果が9ページならダメだし、仮にテレビを3時間観ていても10ページ進んだのならOKだ。


達成したかどうかが明確になると、これも達成感という報酬を得ることができるので、比較的続きやすい。

行動が願望や価値観に沿っていない

多分、これが失敗の最大の原因になるのではないだろうか。
対象の行動が自身の願望・価値観に沿っていない場合、どんなに素晴らしい習慣化のノウハウを取り入れたとしても、結局はどこかで止めてしまうのではないだろうか。
習慣の先にあるものが本当に欲しいからこそ、何としても実現したいと思うからこそ、辛いときに乗り越えられる確かなモチベーションとなる。


「なんとなくやらなきゃ」で始めた習慣は、長続きしない。
本当にその習慣を身につけたいと思っているのか。習慣を身につけることによって得たい結果は何なのか。
それをハッキリと認識しておきたい。


以上が私の考える習慣化のアンチパターンだ。
習慣トラッキングツール「はびっと」をお使いの際は、参考にしていただきたい。
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