これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

ソフトウェアがユーザーに与える価値

ソフトウェアがユーザー与える価値を最大化するためには、ユーザー側の受け取れるものを考慮しなければならないのだろう。
行動分析学とソフトウェアの組み合わせを考えていたときに、ふと、次の式が浮かんだ。


ユーザーに与える価値 = ソフトウェアの提供する価値 × ユーザーが受け取れる価値


価値とはなんぞやという議論もあるのだけど、それはさておき。
あるソフトウェアが

  • Aという機能があります、Bという機能もあります
  • これらを使うとCということができて便利ですよ!

といったものだったとして。
しかし、ユーザーが1/4くらいしか使いこなせなければ、開発側の意図した価値は伝わらないのだろうと思う。
では少しでもソフトウェアの価値が伝わるようにするには、どうすればいいだろうか。


方向性としては2つありあそう。
1つは、想定するユーザーが使いこなせる程度に機能を絞り込む。
もう1つは、機能を使いこなせるようにユーザーに習熟してもらう。
習熟をより具体的に表現すれうば、知識・スキル・動機の3つを獲得することを指す。
つまり、インストラクショナルデザインだ。


この2つの方向性は、どちからだけを採用するというよりも、組み合わせて使うのだろうと思う。
Googleなんか上手いことやってるよな、と改めて感じた。
最初Googleに触れると、キーワードを入れて検索するだけしかできない。
しかし、それで十分に目的を果たせる。
これは機能を絞り込んでいるのだと思う。
しかし、Googleの検索エンジンには、少し高度な検索の方法があったり、あるいは検索以外にも色々できる。
例えば路線検索ができることを知り(知識の獲得)、試してみたらできて(スキルの獲得)、これは便利だと感じた(動機の獲得)とする。
この瞬間、ユーザー側が受け取れる価値が増え、結果としてGoogleがユーザーに与える価値も高まったと言えるのではなかろうか


最初はミニマムセットの機能を提供することで、ソフトウェアに関するユーザーの習熟度が低くても、十分に使いこなせるようにする。
そして、タイミングをみて習熟度を上げていく機会を設け、徐々にユーザーに与える価値を高めていく。
開発したソフトウェアを有効に使って欲しければ、ソフトウェアそのものだけでなく、どうやってユーザーの習熟度を段階的に上げていくのか、といった観点も必要そうですね。
ここは掘り下げていくと、めちゃくちゃ面白そうでワクワクしてきた。

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