人は、その人が置かれたコンテクスト(環境や状況、条件等)によって、行動・思考・感情の傾向が変わります。
例えば、
- みんなでいる時は凄く盛り上げてくれて、なんて明るい人なんだろう〜
と思っていた人が、
- 2人で会ってみると会話も少なくて、実はこんなに物静かな人だったんだ…意外…
ということもあります。
その後、よくありがちなこととしては、この場合は「後者が本当のこの人」と断じてしまうことでしょうか。
でも、実は「本当の自分/あなた」という考え方自体がナンセンスです。
私たちは置かれたコンテクスト(状況、環境、条件等)によって、行動と思考の傾向が変わります。
なぜなら、それぞれのコンテクストの下で積み重ねてきた経験によって、私たちの行動や思考のパターンが形成されるからです。
あるコンテクストで不安な思いをしてきたなら、その人は安心感を得ようとして、消極的な関わり方をするかもしれません。
また、別のコンテクストではとても楽しい思いをしてきたなら、オープンで、積極的に人と関わろうとするかもしれません。
どれも本当のその人であって、どれかが偽物ということはありません。
ですから、相手を理解しようと思ったなら、いま、目の前での振る舞いだけでもって、その人の全てを決めようとしてはならないということです。
- 「この人は、こういう場面ではこういう人なんだな。なるほど。」
この程度の理解で留めておいた方が良いでしょう。
別のコンテクストでは、その人の別の面が出てくるかもしれません。
それを知る余地を残しておいてくださいませ。
ちなみに「本当の自分」についても同じことが言えます。
ある場面での自分の振る舞いに失望したからと言って、自分そのものに失望するのはナンセンスです。
上手くいかなかったのは、その場面での特定の行動だけなのですから、それを自分全体に拡大適用する必要はありません。