これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

忍耐力の鍛え方(行動継続の秘訣)

Q. 忍耐力の鍛え方を教えてください。

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photo credit: symphony of love via photopin cc

忍耐力があると、苦しい時や辛い時でもそれに耐えて、やるべきことをやり続けることができますよね。で、その積み重ねが効いてきて、ある成果として結実することもあるわけです。なので忍耐力が持てるなら、持てた方がいいのかもしれません。

忍耐力の鍛え方を知りたいということは、おそらく今の自分には忍耐力が無いと考えているのだと思います。忍耐力を鍛えるためには、まずは忍耐力とは何かについて考えてみましょう。

 

忍耐力を読み解く鍵は「行動の文脈」にある。

忍耐力のある人を具体的にイメージしてみる

まず「苦しい時や辛い時に耐える」とはどういうことを意味しているのでしょうか?何となく分かるような、でも具体的に問われるとよく分からないような。

ABA-LABO(応用行動分析自主勉強会)というコミュニティにて先日、似たようなことをテーマに話し合ったことがあります。例えば、研究者のようなすぐに成果が出ない、というよりも出るかどうかすらわからないような分野で、それでも粘り強くコツコツと研究活動を続けられる人がいるのは何故だろう、ということです。

僕たちの行動は、基本的に行動の直後に起きる変化によって制御されています。行動を継続している場合、行動に伴って何らかの変化が起きていて、その変化によって行動が維持されていると考えます。これが基本なのですが、一見、何も変化が起きていないのに行動を継続できている場合もあります。

先ほどの研究の例がそれに該当しますし、それ以外にもたくさん例はあげられるでしょう。そして、そういった活動を続けている人のことを指して、忍耐力があると言うのだと思います。

 

行動には文脈がある

質問に戻りますが、忍耐力を鍛えるというのは、つまり「思うようにいかなくて苦しい、辛い時でも、どうすればコツコツと行動が継続できるか?」ということでしょう。

まず、行動には大抵の場合、何らかの変化が伴います。思うようにいかない場合でも、何かの変化があるはずです。それは通常、行動を維持させる力のない「本人とって意味のない小さな変化」かもしれません。

ところが、その意味のない小さな変化を意味あるものとして捉えられる人たちがいます。変化に行動を維持させるだけの機能を持たさられる人たちです。そうできる人達が、「一見、何も変化が起きていないのに行動を継続できる」わけです。

では、何がそうさせるのかという話になりますが、それを読み解く鍵は行動の文脈にあります。文脈という表現が分かりづらいかもしれません。一つの行動を、どういったものにつなげて捉えているかということです。余計分かりづらいような気がしてきました^^;

 

行動を維持させる文脈を構築できるなら忍耐力も生まれる。

僕がブログ更新を続けられている文脈

例えば、このブログ、ここ最近はPVが伸び悩んでいます。頭打ちというやつですな。そうすると萎えちゃうわけです。ああ〜、伸びないなぁって。でも、今日もこうしてブログを更新しようとしているのは、継続日数が増えるという理由もあるのですが、それ以上にブログを更新するという行動の”僕なりの文脈”に理由があります。

僕はブログのPVが頭打ちをすることはよくあることで、そこで継続しているとどこかでコツンと伸びるタイミングが来る、などと考えています。そうすると、今日、こうしてブログを更新すること自体を、意味のある変化として捉えることができます。

このような行動は、人によっては忍耐力があるように見えるかもしれません。でも、いま僕を支配している文脈が壊れてしまえば、僕は今の状態でブログを更新し続けることはできないでしょう。忍耐力って、そんなもんだと思います。

 

忍耐力を鍛える2つのポイント

つまりですね。忍耐力のある人というのは、全ての分野において忍耐力があるわけではないのです。行動を維持させるだけの文脈を持つことができる分野においてのみ、忍耐力を発揮することができるのです。

そして、多くの場合、文脈の元となるものは所謂成功体験であったり、確信の持てる知識であったりします。成果が出ないという出来事に直面した時に、「記憶から行動を維持させる文脈を構築するための情報を引っ張り出せるかどうか」ということになるのでしょうか。

ですので、忍耐力を鍛えるというのは、

  1. コツコツと頑張りたい分野に関する成功体験、あるいは成功に繋がる知識・情報を増やすこと
  2. そしてそれらの情報を思い出しやすくすること

ではないかと。