関係フレーム理論(RFT)をまなぶ 言語行動理論・ACT入門
- 作者: ニコラス・トールネケ,山本淳一,武藤崇,熊野宏昭
- 出版社/メーカー: 星和書店
- 発売日: 2013/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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言葉が行動にどのように作用するかは、個人的に大変興味のあるところだったりします。それについて考えるためのヒントが関係フレーム理論だと思っていたので、それについての書籍が発売されたのはとても嬉しいところ(・∀・)
一般的に行動の原因と考えられているものは、
行動の『一部』ではないか。
僕がコーチングを学んだ時は、言葉が行動にどう影響するかは次のように習いました。
信念(スキーマ)と呼ばれる強固な思い込みが思考の元となり、思考が感情を、そして感情が行動を促す。
この説明ははじめて聞いた時には納得したものですが、本書を読んだ今となっては、感情や思考を行動の原因とするのはちょっとズレてたんだなぁ、とよく分かりました。思考や感情というのは、行動とほぼ同時に生じているもので、行動の原因というよりも行動の一部と捉える方が良いと思われます。
これは脳の働きにしても同じで、脳のどこどこが働いた結果、こういう行動が起きるという説明も、やっぱりちょっとズレていると思うのです。脳の働きもまた、行動の一部でしかありません。
上手く伝わるか分かりませんが、スープを飲むという行動の原因が、スプーンを口に近づけるという行動にある、と言っているように感じるのです。スプーンを口に近づけるのは、スープを飲むという一連の行動の一部です。スープを飲む時にワクワクしているなら、そのワクワクすることもスープを飲むという行動の一部です。
行動の原因は基本的に行動の外側に見出すべきものです。より具体的に言えば、行動の前後の変化を見るべきです。そうすることで行動の役割が見えてきますし、役割こそがその行動が生じている理由です。
言葉は、行動の役割(機能)の変容させることを通して、
僕たちの行動に影響を与える。
さて、言葉の話に戻ります。僕たちにとって言葉は切っても切り離せない存在です。音として発声される言葉もあれば、文字として呼んだり書いたりする言葉、外に表出しない頭の中だけで使われる言葉(思考)等、僕たちは日常のありとあらゆる場面で言葉を使います。
そんな言葉が、僕たちの行動にどのような影響を与えているのかは、大変関心のあるテーマです。そのことについて(とても)省略して説明するならば、言葉は僕たちの行動の役割を変容させるものだと認識しました。
例えば「今日は午後から雨が降るらしいですよ」と言われれば、出掛ける時に傘を持っていく人は多いかと思います。告げられた言葉によって、「傘を持って出掛ける」という行動の役割が変化しているのです。
雨が降ることを告げられなければ、傘を持って出掛けることは単に荷物が増えて煩わしいだけの行動です。なので、雨が降るのでもなければ傘を持って出掛ける人はいません。
ところが、雨が降ると分かった途端、傘を持って出掛けることは「あとで雨に濡れないで済む」という役割を持ち始めますので、その役割のために僕たちは傘を持って出掛けるわけです。
このように、言葉が僕たちの行動の役割を変化させます。だからこそ、言葉は行動に影響を与えます。では、どのようなプロセスで、どのようなメカニズムで、言葉は行動に影響を与えるのでしょうか?あるいは、その理論に妥当性はあるのでしょうか?
その答えの鍵となるのが「関係フレーム理論」であり、関係フレーム理論についての知識を得たいのであれば本書を読むことをお勧めします。ちなみに、この言葉の使い方自体も、行動に影響を与える使い方(行動と結果の繋がりを示唆している)の一つなはずw
関係フレーム理論(RFT)をまなぶ 言語行動理論・ACT入門
- 作者: ニコラス・トールネケ,山本淳一,武藤崇,熊野宏昭
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