- 作者: 北村庄吾,小林秀星
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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前回の続きのさらに続き。これで最後かな。
人材募集
創業期の人材募集
創業期は特に人がいない。人材の募集も社長自らやらねばならない。創業期に雇う人間は、その後の事業の発展を担う重要なパートナーだ。
相性
人材の能力云々もさることながら、経営者である自分や得意先との相性が特に重要である。
人材ビジョンの明確化
何のために人を雇い、どのような仕事をやってもらうのかを明確にすべき。以下にチェックリストを記す。
- 自分が人を雇うことによって、どのようなメリットがあるか。
- 社員を採用するのがベストか。その仕事はパートや人材派遣、アウトソーシングなどで賄えないか。
- どのような資格・能力・業務経歴が必要であり、その優先順位はどうか。
- 採用する人と共有しなければならない価値観は何か。また、これだけは「譲れない」という行動や仕事のスタンスとは何か。
- どのくらいの賃金が支払えるのか(利益との対比)。そして、その賃金で優秀な人材は採れるのか。
- 面接で、待遇や仕事の条件以外に語れるものはあるか(応募者を魅了する事業の将来性や夢)
求人活動
何より熱意が必要。また、人材に対しては社交性や開拓精神、気概などを重視する。知識や技術はあとからでも教えられる。一般募集の前に、知人や取引先から紹介してもらうのも良い。
求人広告
自ら作るくらいの気持ちで。
- どんな人材層がターゲットなのか?
- アピールポイントは何か?
- アピールポイントを上手く表現すると?
公的な機関や人材紹介機関、Webの利用も視野に入れよう。
採用面接
- 敬語で話す
- 笑顔で積極的に傾聴する
- ずれた質問やプライバシーに抵触する会話は避ける
- 喋りすぎない
- 業界用語や難しい言葉で質問したり説明したりしない
- 政治・哲学・宗教は避ける
- 面接中の伝言や中座は避ける
- 議論しない(発言の趣旨を確認するのは良い)
- 事業内容を説明しやすいように資料やデータを用意する
- 最後に必ず応募者からの質問を受け、丁寧に答える
面接の段取り
事前に聞きたい内容をインタビューシートに纏めておこう。ポイントの外れた中途半端な質問をしなくて済むようになる。また、人材像からブレイクダウンした人物評価表も用意しておこう。
優秀な人材を見抜くチェックポイント
- 時間管理や優先順位をコントロールしている
- 話題の展開方法が時系列的になされる
- 具体的な事例に基づいて相手を説得する
- などなど(P193を参照)
敬遠したい人材を見抜くチェックポイント
- 会話の端々にプライドの高すぎる言動がある
- 圧迫質問に表情が変わる
- 資格や特技のことを質問すると得意気に答える
- などなど(P195を参照)
応募者の能力を多面的に見るには
様々な評価ツールを用いる。
- 筆記関連
- 適性診断
- 集団観察
- 実務テスト
- 外部コンサルタントによる診断
入社直後の教育
初期教育で行うべき項目。
- 自社商品やサービスに関する特徴やアドバンテージの説明
- 業界全体の知識やマーケットの動向に関する説明
- 就業規則や帳票類の取り扱いに関する説明
- 仕事に関連する専門用語や業界用語などの説明
- OA機器などの取り扱い説明
- 電話の対応
- ビジネスマナーの再教育
- 業界に必要と判断されるスキルを習得させるため、外部セミナーに参加させる
お金の流れ
会社の経理の流れはこうなっている
書類上は下記のような流れ。これらの作成と10年の保管は義務となっている。
- 証憑類(請求書、請求書・領収書控、通常など)
- 現金出納帳、預金通帳、売掛帳、買掛帳
- 現金の出し入れを記入したもの
- 売掛帳: 得意先別の管理台帳
- 買掛帳: 仕入先別の管理台帳
- 仕訳帳
- 日々のお金の動きを記入するもの
- 総勘定元帳
- 科目別にお金の出し入れを記入したもの
- 月次会計残高試算表(毎月)
- 決算整理前残高試算表
- 決算整理
- 減価償却、売上原価、貸倒引当金、未払費用、前払費用
- 決算書
- 申告書
財務会計
外部の利害関係者(株主とか投資家)向け。会社の経営成績と財務状態に関する情報で、厳格さが要求される。
管理会計
内部の利害関係者(経営者や管理責任者)向け。経営管理上、有用な会計情報を提供することが目的。経営判断に使用するもので、正確さより迅速さが要求される。また、過去の実績というよりも、今後の予測が重要。
法務
ごにょごにょごにょ・・・。(またか)
感想
会社って大変だなぁ(ぉ
この本は2001年に出版されたもので、法律関係の情報は古いかもしれません。が、まぁ、会社ってのが全般的にどういうことをやっているのかを大雑把に把握できたかなぁ、と。ネガティブな情報も結構載っていた気がするので、それも良かった。起業したいって人だけじゃなくて社員の立場であっても、自分の会社がどんな風に動いているのかをイメージするのには良いかもしれませんね。