これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

ビジネス文書の質を高める2枚の紙

ビジネス文書を書くということは、その書類によって何らかの目的を達成したいわけです。
上司への報告用であれば、上司の知りたい情報を的確に伝えなければならないし、予算を取るための企画書であれば、審議する人を納得させるだけの材料を用意しなければなりません。
ここでは、ビジネス文書の質を高め、少しでも目的を達成できるようにするために、私が実践している方法を簡単に説明してみたいと思います。っても、大したことではありません。文章を書く前に、2枚の紙に手書きでぐりぐりって書きなぐるだけです。


用意するものはペンと2枚のA4用紙です。ペンは2〜3色あった方が良いかもしれません。A4用紙は何かの裏紙でOKです。


1枚目の紙には、次のようなことを書きます。

  1. 右端に達成したい目的を書きます
  2. そこに到達するためにクリアしなければならないことを書き出します
    • 左端をスタートラインに、右端をゴールラインにイメージする
    • 理想的にはゴールに近いところから書き出すといいのですが、思いつくままに書いていってもOK
    • 全部書き出せなくても、ある程度で大丈夫です

コツは

  • 受け取る人の立場を想像する
  • 客観性を持たせるためにはどうすればいいか考える
    • 「主観」で書いても説得力がない

でしょうか。完璧でなくてもいいので、こういったことを「意識」して書いてください。


2枚目の紙は、作成する文書の完成イメージを描きます。
1枚目の紙には、文書に盛り込まなければならないことが、ある程度書いてあるはずです。それらを効果的に表現するには、どういう書式にすればいいのかイメージし、絵に描いてみます。
ここでのポイントも「大雑把」でしょうか。完璧を目指す必要はありません。大抵、ここで考えた完成イメージと、実際の文書の最終形は違うものになりますので(仕上げているうちにより適切な形がみえてくる)。
じゃぁ、何故描くのかというと、それは「ゴールをイメージしてスタートできる」からです。ゴールをイメージできるということは、そこから具体的なタスクに落とし込んでいくこともできるようになります。単に書けばいい場合もあれば、説得力を出すために調査が必要になる場合もあるでしょう。少なくとも、何も準備なしに始めるよりは、それが見えるようになるんです。


この2枚の紙を事前に書くだけで、「何を充足したら、この文書を書く仕事は完成なのか。そのために何をすればいいのか。」を意識することができるようになります。
また、「ある程度」という精度でやる作業なので、時間もさほどかかりません。30分〜2時間もあれば終わると思います。しかし、その後作成する文書の質は、確実に高くなると思います。質が高くなるということは、それを提出したときにNGが出る可能性が低くなるということでもあり、全体でみると結局のところ効率も良くなったりするのです。
何度書いても上司にNG出されて、なかなか終わらずに苦しんでいる方などに、是非試してみて欲しい方法です。