これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

行動計画、その3つのポイントは?

2009年になり、もう1ヶ月が過ぎました。新年に立てた目標に対する進捗は、どんなもんでしょうか?
私は、6月いっぱいで達成したい目標を3つ立てましたが、2つは、まぁ、順調。残り1つはまだ成果が見えない、といった感じです。なぜ成果が見えないかといえば、原因は比較的明らかで、

  • やり方がわかっていない

からなわけです。悩ましいなぁ、と思いつつも思考錯誤するしかないですね。


ってなわけで、目標達成に向けて行動計画を立てる際のポイントを3つばかし。

1. 目標は明確に具体的に

計画を立てるためには、目的地が具体的に分かっていなければなりません。つまり、目標です。目標は、あちこちでよく言われていることですが、S.M.A.R.Tを意識するといいかと思います。S.M.A.R.Tとは、

  • Specific: 具体的であること
  • Measurable: 計測可能であること
  • Achievable: 実現可能であること
  • Result-oriented: 欲しい結果が具体的であること
  • Time-bound: 期限があること

です。ちなみに、A・R・Tには色々なバリエーションがあるみたいですね。ググって見ると色々出てくるので、調べてみて自分にしっくりくるものを選択すればいいかと思います。
S・Tは当たり前に必要だとして、良い目標たるにはM・A・Rが重要ではないかと思います。

Measurable: 計測可能であること

計測可能であるということは、目標を数値に落とし込むということです。ダイエットなんかだと簡単なんですが、中には数値化するのが難しい目標もあります。しかし、これは是非やっておきたい。なぜならば、数値になることによって、現状との差が明確になるからです。自分のとった行動によって、どれだけ進んだかが明確になるからです。
これが具体的に分かるからこそ、自分にとっての現実が認識できるわけです。例えば、1ヶ月で10kg体重を落とすという目標を立てたとして、2週間経過して1kgしか落ちていなかったら、目標の達成は非常に困難かもしれません。もちろん、そうではないかもしれません。いずれにせよ、残り2週間で9kgという明確で具体的な現実が、そこにあることが分かるわけです。これが、数値化のメリットです。

Achievable: 実現可能であること

私はこれが一番難しいポイントだと思っています。実現可能であることというのは、単に達成できる目標であればいいというわけではありません。
私は、目標達成に向けて必死に頑張って、達成できる可能性が50%である、ということだと理解しています。簡単に達成できる目標であれば、そもそも取り組む価値はありません。普段通りに行動すれば、達成できることでしょう。かといって、難易度の高すぎる目標を立てても、現実にはそこに到達することができないので、目標が単なるお題目となってしまいます。
正直、このさじ加減は難しいな、と思います。だからこそ、ここでMeasurable 計測可能であることが重要になるのです。定期的に計測しながら、自分にとっての50%はどこなのか、理解を深めていくことも必要でしょう。


以前、はてなの近藤社長が、ユーザー1000万人を目標に掲げておきながら、後で300万人に下方修正したことがあったように記憶しています。これは、恐らくいいことだと思います。多分、300万という数字の方が、具体的に到達をイメージできる目標だったのでしょう。到達の可能性を感じることができれば、それはそれに関わる人にとって、前に進むためのパワーになるのです。

Result-oriented: 欲しい結果が具体的であること

目標を達成した結果、得られる成果はなんでしょうか。自分は、どうなっているのでしょうか。それが明確にイメージできることが大切です。
体重が10kg減った自分は、どんな状態でしょうか。収入が月10万増えた自分は、どんな状態でしょうか。あるいは、もっと大きな目標が、どれだけ前に進むのでしょうか*1。達成した状態がイメージできれば、ゴールへ向かうモチベーションになるでしょう。

2. 目標には2つのタイプがある

具体的で明確な目標ができたとして、どうもその目標には2つの種類があるようです。

  1. ゴールへの到達方法は分かっていて、日々継続できるかが達成のポイントになっているもの
  2. ゴールへの到達方法が分からないので、仮説-実行-検証を繰り返さなければならないもの
習慣化

前者は、習慣化の問題です。習慣化については、

  • 見返りの法則
  • 環境を作る

が重要だと思っています。見返りについては、何度か言及をしました。興味があれば、以下をご覧ください。

「環境を作る」については、最近、取り組み始めたことがあるので、いずれそれを書こうと思います。簡単に言うと、例えば

  • プログラミングをしなければいけないのに、ついついWeb閲覧を始めてしまい進まない

のであれば

  • Web閲覧ができない環境を作ってプログラミングをする

ということです。詳細は体験談を交えて、いずれ書きます。

仮説-実行-検証

後者は難易度が高い目標だといえます。とはいえ、こういったものに取り組まなければ、新たなステージにはいけないので、1つくらいは目標として入れておきたいところ。
このタイプの目標の場合、実行の段階では習慣化のテクニックも必要なのですが、その前に何を実行するかを検討しなければなりません。どうやって到達すればいいか分からないのは未経験だからだと思いますが、それはつまり知識とスキルが不足している、ということになります。


よって、学習を繰り返しつつ、行動と結果を仮設定し、実行する。そして、実際に得た結果を検証し、新たに学習から得たものと合わせて行動を修正する。もう、ひたすらこれを繰り返すだけじゃないかと思うのですが、ポイントは

  • 学習の成果=「教材*2」の質×学習時間
  • 得られる結果=学習の成果×行動へ移す頻度
  • フィードバック=得られた結果×検証

ではないかと。更に、何かを学ぶと過去の経験からの再学習も起きるので

  • 成長=フィードバック×学習の成果

であり、分解すると

  • 成長=(「教材」の質×学習時間)^2 × 行動へ移す頻度 × 検証

かなぁ、などと考えたりします。
どんどん学習するということは、どんどん情報をインプットするということです。情報=潜在的な力ですので、それはじっと力を溜め込むことになります。それが行動と結びつくことで、新たな結果を生み出すことになります。逆にいうと、行動が0なら、どれだけ大量に学習しても、結果も成長も0になるということです。

3. 代替行動を用意する

最後に、状況に関わらず、目標へ向かって行動するために、代替行動を用意しておくことをオススメします。
状況に関わらず行動するということは、例えばダイエットのためにジョギングをしようと計画していたときに、雨が降ったとしても行動するということです。もちろん、雨の中、ジョギングに行けというわけではなく、部屋で腹筋するなどの代替行動を実行に移しましょう、ということです。
他にもプログラミングをする予定だったのに、仕事が遅くなってできないのであれば、電車の中でアプリの仕様を検討したり、技術書を読んで将来の生産性を少しでも高めるなどします。
代替行動を用意しておくというのは、とにかく「何もしない」という結果だけは避ける、ということです。是非、代替行動を設定し、何らかの進捗が生まれるようにしましょう。

*1:この場合、Rは「Relevant: より大きな目標との関連性」がいいかもしれないですね

*2:学習の元になるあらゆるものを指して教材と表現しました