前回からの続きです。
今回も「思考は刺激反応連鎖によって自発する」についての話です。
少し復習しておきます。
まず、刺激反応連鎖とは、
前の行動をきっかけとして、連なるように次の行動が自発する
ことを言います。
思考の場合、「ある刺激」を元に「決まった思考のクセ」が起きやすい、ということが言えます。
例えば、
条件:部長が客先から戻ってきた。
思考:確か先週もめてた案件の打ち合わせだったな。
思考:心なしか機嫌が悪そうに見える。
思考:近くにいると八つ当たりされるかもしれない。嫌だなぁ。
といった思考をするかもしれません。
こういった思考は、自己ルールの生成も同時に行っています。
- 先週もめてた案件の打ち合わせだから、機嫌が悪いはずだ
- 機嫌が悪い部長の近くにいると、八つ当たりされるかもしれない
などです。
そして、私たちはルールに沿った行動を取ろうとしますので、生成されたルールに従い、次のような行動を取るかもしれません。
行動:タバコを吸いに行く
結果:部長の八つ当たりを避けることができた!(と思い込む)
このようなメカニズムが分かったところで、これをどうすれば私たちの日常の改善に役立てることができるのでしょうか。
思考も行動ですので、行動を変えるためのポイントは2つです。
即ち、「条件を変える」または「結果を変える」です。
前回は、条件を変える3つの方法である
- 外的な刺激に条件付けされた感情を利用する
- 言語に条件付けされた感情を利用する
- 身体的な動作に条件付けされた感情を利用する
のうち、1つ目の「外的な刺激に条件付けされた感情を利用する」についてお伝えしました。
今回は、
- 言語に条件付けされた感情を利用する方法
をお伝えします。
やることはシンプルなのですが、かなり強力です。
何をするかというと、
今おかれた状況に影響を与えられるように、自分の能力を肯定的に言葉で表現する。それも、感情を伴わせながら。
だけです。
例えば、来週は英語のテストがあるけど、英語が苦手だと思っていたとします。
苦手なので、勉強しなければならないことが分かっていても、避けてしまいます。
そこで、次のように言葉にしてみるのです。
- 私は確かに英語が苦手かもしれない。でも、いま勉強をすれば来週のテストの点を確実にアップできる。
あるいは、単純に次のようなものでも良いかもしれません。
- 私は英語の天才だ!
まぁ、あまりにもセルフイメージからかけ離れすぎているので、この言い方だとなかなか難しいかもしれませんが。
ポイントは、これらの言葉にしっかりと相応しい感情を乗せることです。
だるそ〜に「点を確実にアップできる・・・」と言うのではなく、さも自信満々であるかのように「確実にアップできる!」と言ってください。
上手くいくと、沸々とポジティブな感情が湧いてきます。
また、繰り返せば繰り返すほど、容易に感情を引き出せるようになりますし、ポジティブなルールやセルフイメージの形成にも寄与します。
今回の方法は、次に説明する「身体的な動作に条件付けされた感情を利用する方法」と組み合わせると、とても強力です。
これについては、次回。