これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

承認欲求を動機とする場合は、注意しましょう。

痛みから何かを始める場合、注意が必要です。
痛みとはこの場合、満たされていない感情的欲求を指します。


例えば

  • もっと人から認められたい、賞賛されたい
  • もっと自信が欲しい

等は、それに該当します。


承認欲求等を動機をするのが悪い訳ではありませんが、痛みを行動の理由としているため、取り扱いに注意が必要です。
どのような点に注意が必要かというと、以下の2点です。

  1. 痛みが無くなった途端、行動が止まる
  2. 行動で得た成果に依存する


痛みは本人にとって強い行動の動機ではあるのですが、痛みが無くなると途端に行動しなくなります。
痛みがある場合、基本的に不安や恐怖を感じていますが、一時的にでも満たされて安心してしまえば、行動する理由がなくなるんですね。
再び痛みを感じるまで、行動しなくなります。


2つ目の行動で得た成果への依存ですが、仕事に熱中しすぎる方は、この傾向に注意してください。
例えば、認められたくて一生懸命頑張り、その結果として会社から評価され、周囲から賞賛されたとします。
この場合、会社の評価や周囲の賞賛によって満たされているため、それらが無くなると途端に欠落を感じてしまいます。


常に評価され、賞賛されている必要があるのです。
この状態は、非常に消耗しやすいです。
少しでも評価や賞賛が失われるサインを察知すると、途端にネガティブな感情に翻弄されます。


以上の2点の問題があるため、痛みを動機として何かを始める際は、注意が必要です。


また、一見、欲求の欠落に見えないようなケースでも、実は欲求の欠落だったというパターンもあり、なかなか見極めが難しいところもあります。
実際、私は「正しさ」を行動の動機としていた事があり、よくよく探ってみると、背後に承認欲求が隠れていました。


欠落した欲求を行動の動機とすると、何かと問題が起きやすくなりますので、やはり一番良いのは欲求を満たした上で、貢献や成長を行動の動機とすることでしょう。


そのためにも、自分がどんな欲求を求めて行動する傾向にあるのか、自分と向き合ってみてください。
そして、その欲求が満たされないとしたら、どんな気持ちになるのかを確認しましょう。
怖くなったり、イライラしたり、不安や恐怖等の嫌な気持ちを感じるようであれば、その欲求は少し取り扱いに注意してください。
不適切な手段で満たしてしまうと、色々破綻しやすくなります。(特に人間関係で顕著に現れます)
なるべく建設的な手段で満たすようにしてください。