これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

「ビジョン探し」や「やりたいこと探し」は止めよう。手の届く範囲を大切に。

自分が将来どうなりたいのか分からない方へ。

悩まなくてもいいです。

分からなくてもいいです。

今日はそんな話を書いてみます。


今から3年ほど前になりますが、沖縄に行きました。

ビジョンクエストというセミナーです。沖縄で丸一日、喋ることを禁止され、可能な限り自分と向き合う時間を作るためのセミナーでした。

そうやってまで自分向き合って考えたのは、ビジョンです。


まずビジョンとは何か、取り敢えず決めておきましょう。

少なくとも今回の記事でビジョンと言う場合は、自分の未来の出来事について表現したものとします。もちろん、ただの出来事ではなく、自分が心から欲しいと願う、こうなるに違いない、絶対にこうしてやるといった「想いの込められた出来事」です。


ビジョンを持つことは、強力な推進力を手にすることと同じです。

色々大変なことはあるけど、でもどうしてもこの未来が欲しい!そう思えるから、また一歩を踏み出すことができるんですね。


ビジョンに後押しされて何かを成した人や組織は、沢山います。

キング牧師は、奴隷の子供と奴隷所有者の子供が、同じテーブルを囲んで食事をする未来を描きました。ビル・ゲイツは、全ての職場や家庭にコンピュータが行き渡る未来を描きました。NASAは、月面に人を立たせるという未来を描いて人々を鼓舞しました。

人々を共感させ、ワクワクさせ、使命感を持たせるビジョンは、とっっても強力なんです。

だから、僕達も自分のビジョンを持った方が良いんです。今日からあなたも自分のビジョンを見つけましょう!



・・・というのが超人向けのお話です。

ここからが本題です。


こういう話を聞いて、僕たち普通の人が考えることは、

  • ビジョンがないよ、早く僕もビジョンを持たなきゃ!
  • 探してるのに見つからない、どうしたらいいの?><
  • あの時は「これだ!」って思ったけど、何だか自信がなくなってきたなぁ・・・。

といったところでしょう。


でもですね、

ビジョンは無理に探さなくてもいい

と僕は思います。

あるかないかでいったら、あった方がいいです。

でも、いまビジョンが見つからないでいる人が、無理矢理ビジョンを探そうと思っても、なかなか見つからないか、どっかで聞いたことがあるようなビジョンになるかのどっちかです。

それだったら探さない方がいいです。


あ、ええと、探したいなら探してもいいです。

というのは、そうやって考えた時間も無駄じゃないと思うからです。

でも、「無理に」探す必要はないですし、例え探し始めたからといって「見つける」必要もないです。無理に見つけようとすると、でっち上げになりますので。


実はビジョンを探すよりも大切なことがあります。

それは、目の前のことに集中するということです。いまできること、いまやっていること、いまやりたいこと。何でも良いので、手の届く範囲にあるものに目を向けましょう。

理想は「時間を忘れて夢中になれるもの」ですが、そこまでじゃなくても集中してやってみたいことがあるなら、それに取り組んでみることをオススメします。

そういうものが見つけられないでいる場合は、自分に与えられた役割や既にやっていることの中で、好きなものや得意なものをやると良いかと思います。


というのも、行動は常に体験をもたらすからなんです。

体験は膨大な情報を僕たちにプレゼントしてくれます。この情報は、ビジョンを考える上で貴重なリソースになります。

体験を通した情報が蓄積されてくると、実は、ビジョンって自然に浮かんでくるものなんです。ふっと「あ、こんな未来が欲しいな」って頭に浮かびます。

ビジョンは積極的に探すもんじゃなくて、
いつの間にか、勝手に浮かんでくるもの

だと思います。だから、

ビジョンが浮かんでくる土壌を作るために、
目の前のことに集中して体験を蓄積しましょう

ということです。


ビジョンは、殊更探そうと思って見付けたものじゃないんですね。本当に偶然、頭に浮かんでくるものです。一度頭に浮かぶと、次から次に連想するようにイメージが湧いてくる。

面白いもんです。だから、ビジョンは寝て待て。

心配しなくても、目の前のことを頑張っていれば、蓄積された体験の中から湧き出てきます。


そうすると、一番良くないのは、やりたいことが見つからないからと言って、何もやらないでいることかもしれませんね。体験が蓄積されませんので。

手の届く範囲で何かやれることが見つかるなら、とりあえずはそこに手を付けていくと良いと思います。

ビジョンが見つかるからという理由だけでなく、評価を獲得するという意味でも重要なんですが、この辺りはまた別の機会にしましょう。