これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

最速の成長は「何ができて何ができないか」を知ることから。学びの質が変わるから。

前回、「実践を増やしていくことが自由への近道」ということをお伝えしました。

自由であるためには与えられた環境において、有効な選択肢を持つ必要がありますが、有効な選択肢の鍵となるのが自分の能力になります。能力とは、何かができることであったり、どうするとどうなるのかを分かっていることです。

 

その能力を手に入れるために超えなければならないのが、「実践(やってみる)」という壁でした。なので、実践を増やすことは能力を高めることになり、結果として自由を手に入れることもできる、というわけです。

実践することは、思いの外、成長スピードに影響を与えます。今回はその辺りを補足しつつ、僕たちが少しでも早く成長するにはどうすればいいかを書くことにします。

 

学びのプロセスというものがあります。以前にも書いたことがあるかもしれません。よく言われる学びのプロセスは、

  1. 知る
  2. 分かる
  3. やってみる
  4. できた

などと言われます。手に入れた知識を知っただけで終わるのではなく、しっかりと自分の中に落としこんで理解しましょう。その上で実践して、できたという成功体験を重ねましょう。そんなプロセスです。

 

でも、このプロセスだと多分上手くいきません。上手くいくかもしれませんが、とても難しいです。たくさんの経験がある人だったら大丈夫かもしれませんが、僕たちのような普通の人には向かないプロセスです。

なぜなら、僕たちが何かを「分かる」ためには、そのことについて「できた」という経験が必要だからです。できればご自身の体験を振り返ってみて欲しいのですが、できる前に分かったことって、結構少ないと思うんです。

 

例えば携帯電話の操作方法だって、マニュアル見ながら試してみて、ああ、なるほど、こうなるのか!と「できた経験」を得た後に、携帯電話の操作について分かったと実感できるのではないでしょうか。

分かったからできるのではなく、できたから分かるのです。ということは、できる前に分かろうとすることは、かなり無駄な努力をしている可能性があります。

 

さて、ということは僕たちが何かができるようになるには、知ったことについて、まだまだ分からないことだらけだけど、とりあえず実践してみなくてはならないわけです。やってみることなしに、学びのプロセスは前に進みません。

効果的な学びのプロセスは、前回も書きましたが、

  1. 知っている(知識を手に入れた)
  2. やってみる
  3. できた(能力を手にれたかも?)
  4. 分かった(能力を手に入れた)

なのです。というわけで、知ったことは、分からないままやってみることになります…

 

そうするとですね。当然、「できない」わけです。ここが一番悩ましいところですよね。僕たちは誰しも、できないなんて体験はしたくありません。どうせやるなら、できて欲しいです。だから、やってみる前に一生懸命「分かろうとする」わけです。

でも、前述したように、それでは学びのプロセスが進まず、ずーっと「知る」というステップで足踏みしてしまいます。よくノウハウコレクターだとか、セミナージプシーなんて言われることがありますが、それはつまり「知る」というステップで足踏みしちゃってるんですね。

だから、ここは勇気の振り絞り所です。何がなんだか分からないけど、全然見通しが立たないけど、ちょっとでもいいので「やってみる」ことです。そして、できなかったという体験をすることです。

 

実はできなかったという体験をすると、課題が具体的になります。行動を通して、曖昧に理解していた知識から欠落している箇所が、具体的に炙りだされます。

課題が具体的になれば、もう一度、知るというステップに戻った時、何について知れば良いかが明らかになります。学びの質が、めっちゃくちゃ高まるんですね。

単にゼロから学ぼうとする人と、一度、やってみてできなかった体験をした人とでは、学びに対する目的意識が変わります。成長のスピードが変わります。

 

やってみるというステップに挑むときは、できることを期待するのではなく、「何ができて、何ができないのかを見つける」ことを目的とするのがいいかと思います。

ちょっとした実験みたいなものです。そんな実験を通して課題を見つけ、また知識を手に入れる。その繰り返しが早くなればなるほど、僕たちの成長スピードは上がります。