これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

音楽(曲)に「やる気を引き出す効果」はあるのか?

Q. やる気がでる曲ってありますけど、何でやる気が出るのでしょうか?

 

何とな〜く気分がのらないなぁ、やる気でないなぁって時に、BGMをかけてみると不思議とやる気が出て行動できてしまうことがありますよね。音楽にはやる気を引き出す力があるんでしょうか?ちょっと考えてみたいと思います。

 

まず思いつくのは、レスポンデント条件付けです。

所謂「パブロフの犬」と同じ原理で、犬にメトロノームの音と共に餌をやり続けると、そのうちメトロノームの音を聞いただけで涎を分泌するようになる、という現象が起きます。音楽を聞いて僕たちの感情が刺激されるのも、これと同じだと思われます。

過去、感動した映画とともに聞いた音楽を耳にすると、何だかじんわりとしてきちゃったり、昔、ライブに通っていたバンドの音楽を聞くと、ノリノリな気分が蘇ってきて体を動かしていたりするわけです。

これらは何れも、レスポンデント条件づけという学習原理の働きです。だから、音楽は僕たちの感情を刺激する可能性が多いにあります。行動が増えるかどうかは微妙ですが、やる気が出てきたかのようには感じられるかもしれません。

  

もう1つ、思いつくことがあります。

イヤフォンなどで音楽を聞くことで、集中力が高まる可能性がありそうです。

そもそも集中できていない状態というのは、集中すべき対象以外の様々な刺激に引っ張られ、余計な行動が頻発する状態です。イヤフォンで音楽を聴くことは、聴覚からの刺激を減らす効果があります。耳から音楽しか聞こえてこないので、刺激が単調になるんですね。

その分、気を取られる刺激を耳から受け取らずに済みます。余計な行動が減少すれば、相対的にやるべきことに従事する時間が増えます。絶対に集中できるわけではありませんが、より集中しやすい環境を作るのに役に立ちそうですね。

 

以上のような理由により、音楽を聴きながら作業をすると、

  • 感情が刺激されて気分が良くなる
  • 集中できる可能性が高くなるので、効率良く作業できる

といった効果が期待でき、それによって「やる気が出た」ように感じられるのかもしれません。 条件次第では全く効果がないことも考えられますが、行動できない時の対策の1つとしてやってみる価値はありそうです。