これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

ランチェスター戦略と個人の能力

先週の金曜日に、ランチェスター戦略のセミナーに行ってきた。講師の竹田陽一氏はランチェスター戦略の大御所らしい。
ビジネス選書&サマリー: ページが見つかりません。


まず理解すべきは次の2つらしい。


その1。近接戦闘の場合、双方の損害は同じになる。
例えば、A軍の兵力が100でBの兵力が60の場合、仮に能力差が全く無かったとしたら、近接戦闘における双方の損害は同じになるとか。B軍の兵力が30まで減った時、A軍の兵力も70に減るらしい。
その2。一方、間隔戦の場合は異なる。
間隔戦の場合、確率の問題で、双方の攻撃力は兵力の二乗になる。上記例の場合、A軍の攻撃力は10000となり、B軍は3600。で、10000から3600を引いた残りの6400、これの平方根がA軍の残存数となる。つまりB軍が全滅したとき、A軍はまだ80残っていることになる。


このことから、強者の戦略と弱者の戦略が導き出される。
強者はなるべく間隔を取り、広く見通しの良い場所を選択し、射程距離の長い武器で戦いたい。そのための状況を作り出すのが強者の戦略になる。
弱者の場合は、大軍が動きづらく、自分達が身を隠しやすい場所で、敵に接近して戦いたい。そのための状況を作り出すのが、弱者の戦略になる。


まずは以上をしっかりと理解し、これをビジネスの世界に応用させるのがランチェスター戦略だ。
ちなみにビジネスの中で強者と言えるのは、1000社のうち5社程度。ほとんどは弱者だ。だから、ほとんどの企業が取るべき選択は、弱者の戦略ということになる。
強者であれば、市場規模の大きな商品を重視して、大量生産で販売していくことができる。しかし、弱者がそれに対抗しても勝てない。局地戦になるようターゲットを絞り、局所的には戦力で上回ることを考えなればならない。故に、

  • 目標設定
    • 市場規模の小さなところを狙い、そこで一位になることを目指す
  • 運営
    • 目標達成期間が3年の場合は相手の1.7倍、5年の場合は1.3倍の局所的な物量または効率が必要
  • 実行力
    • 規模の小さな会社は、まず社長の実力で業績が決まる。社長自身の実行力を高めよ。
    • 社長個人の実行力=仕事時間の二乗×質
    • 中小の平均労働時間は1850時間。3200時間で必勝、3700時間で圧勝、4140時間で必死、4530時間で超人。
      • 超人は365日毎日12時間労働・・・


さて。この考えは経営だけでなく、個人の能力にも応用できるらしい。
例えば、Aさんの能力を10として、Bさんが7だとすると、その差は実は100:49となるらしい。だから、3しか差がないなんて認識のままでいると、10年、20年と経つ間に取り戻しようのない差がついてしまうのだとか。更に、その能力差から得られる成果の量が違うので、Aさんはどんどんストックが貯まっていく。これが更なる差を生んでしまう。
やるべきことは地道な勉強だ、と。竹田氏は、少なくとも毎月第1日曜日と第2日曜日には6時間の勉強時間を取りなさい、と仰っていた。それを20年、30年続けられれば、そこまでやっている人はほとんど居ないので、大きな差を作ることができるだろう、と。
人生、いつまでも勉強であるなぁ。