これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

すごいコーチングを目の当たりにした

ここ2週間ほど、休日にセミナーがあったりでなかなかプログラミングの時間が取れてない状況なんですが、そのセミナーの中で「すげーなー」って思うようなコーチングを目の当たりにした。正確にいうと、単なるセミナー後の質疑応答だったんだけど、その受け答えがどう考えてもコーチングだった。


まず、前提として講演の内容として、以下のようなものがあった。

  • 人生で成功するためには、自分に対してどういう質問をするのかがポイントだ。良い質問を自分に投げかけなければならない。

これは例えば、すごく簡単な例で言うと、

  • お金がないから○○ができない。何で金が無いんだ!

とするよりも、フォーカスを変えて

  • ○○をするために、必要なお金を生み出すにはどうすればいいんだろう?

と問いかけるべきだ、と。お金が無いという事実は同じだけども、どう解釈するかでその後の行動が変わってくるんだよ〜、と言ってた。


それで、講演終了後の質疑応答タイム。ある質問者が、

  • 自分に良い質問をするためのコツはありますか?

と問いかけた。以下、次のようなやり取りが進む*1

講師(以下、講): あなたには今、目標とすることがありますか?
質問者(以下、質): 自分の学んだことを多くの人に伝えて、幸せにしたいです。
講: 素晴らしい。では、もっと具体的に教えてください。どう伝えたいのでしょうか?
質: ****(何と言ったか覚えていないが、いま少し具体性に欠けていたように思う)
講: もっと具体的に。例えば、このようにセミナーのようなことがやりたいのですか?あるいは本を出版してみたい?どうです?
質: (しばらく考え)両方やりたいです。
講: 両方!OK、素晴らしい。では、本を出すことを考えてみましょう。本を出して、どうなりたいですか?本が出せればいい?それともベストセラーにしたい?
質: ベストセラーが出したいです。
講: OK。では、もし仮に、何の障害もなくその目標が実現できるとしたら、いつまでにそれを実現したいですか?
質: 10年か・・・15年後くらい。
講: 何の障害もないんですよ?何の問題もない。なぜ来年じゃないんですか?来年じゃない理由があれば、教えてください。
質: (しばらく考え)理由はありません。(会場から拍手)
講: 素晴らしい。来年、そうしましょう。では次に、来年ベストセラーの本を出版するために、あなたの障害になりそうなことは何ですか?
質: 本を書くための基盤がないことです。
講: では、その基盤を作るためにはどうすればいいですか?それがあなたに必要な質問でしょう。


僅か10分程度の出来事だった。その間に起こったことを私なりにまとめてみると、

  • 不明瞭だったやりたいことが、具体的な目標になった
  • 目標が具体的になったので、現状と比較して不足してみるものが分かりやすくなった
    • 多分、この点はこれから更に明確にしていかなければならないのだろう
  • 不足しているものを得るためにはどうすればいいか、という観点の質問を得た

ということになる。


結果だけ見てみると、もしかしたら簡単なように思えるかもしれない。でも、いざ自分でやってみると分かるけど、もやもやっとした頭の中を自力でクリアにするのは結構難しい。それが質疑応答の間に、スムーズに誘導されていくところを見ると、コーチングってすげぇw と思ってしまうわけです。
コーチングの本は読んだことあったけど、ここまで凄いものだとは思わなかった。いや、ほんと衝撃的だったんですよ。つたない文章なので、伝わらないかもしれないけど。

*1:記憶を頼りに書いているので正確ではないが、大筋はあってると思う