年末年始で、これまでの振り返りと新たな目標を掲げる人は多いかと思う。私もその予定だけど、そこに思考のフレームワークを導入してみようと思っている。自分の人生を8つのエリアから評価し、どこまで持っていきたいかを考えるのだ。
8つのエリア
幸福感を伴った人生を送るには、次の8つのエリアで満たされている必要がある。どれかが欠けていれば、それに引きずられるように他のエリアも落ち込んでいく。
- 感情のコントロール
- ネガティブな感情に囚われ続けないか。上手く感情を切り替えることができるか。切り替えるために、どのくらいの時間がかかるか。
- 肉体的な活力
- やりたいことに全力で取り組めるエネルギー状態にあるか。健康状態は良好か。自分のことを身体的に好きになれるか。
- 人間関係
- 恋人、家族、友人との関係はうまくいっているか。幸せを感じられる関係か。
- 経済状態
- 欲しいと思うだけの資産や収入はあるか。
- キャリアとビジネス
- 仕事を楽しんでいるか。情熱を持てることに取り組んでいるか。
- 時間と自由
- 好きなこと(映画を観たり、旅行に行ったり)をやるの時間は持てているか。
- 環境
- 住んでいる部屋、家、周囲の環境は、自分の望んでいるものと比べてどうか。
- 精神性
- 精神的に敬虔であり、人を愛することのできる精神状態にあるか。
現状の評価と欲しい結果を明確にする
目標設定で常に必要になるのは、現在地とゴールを明確に知ることだ。数値化して目標設定できる人には分かると思うけど、明確さは力だ。なんとなくでは、日々の基準をどこに持っていかなければならないか、判断することができないのだ。
現状を知るためには、上記の8つのエリアにおいて、それぞれ10段階で満足度を評価してみよう。人によっては痛みを伴う作業になるかもしれないけど、誰かに非難されるわけではないので、あまり怖がる必要はない。
次に、8つのエリアで改善したいと思うところを3つ選択し、優先順位を付ける。そして選択したそれぞれのエリアで、どういう状態になりたいのかを書き出していく。その際、なるべく明確に書く。収入であれば、
- たくさん欲しい
ではなくて、例えば
- 月収200万欲しい
と書く。これも誰かがみている訳じゃないので、大胆に自分の欲求を書いて良いと思う。そんなことできるわけ無いと思わずに、最高にハッピーな状態を書くのだ。それが自分の欲しい結果になるはず。
10カ年計画へ
現在地とゴールが明確になったら、今度はプロセスに着手する。どうやってゴールにたどり着くかを考えるのだ。これには10カ年計画を使うといいように思う。
(追記)10カ年計画のイメージは以下の通り。年と自分やパートナー、大切な人(例えば子供)の年齢を書き、各年に仕事面とプライベート面で何を達成していくか書いていく。
自分の年齢 | パートナーの年齢 | 大切な人の年齢 | 大切な人の年齢 | 仕事 | プライベート | |
---|---|---|---|---|---|---|
2009年 | 34 | 28 | 起業、年収100万UP | もっといい部屋に引っ越し | ||
2010年 | 35 | 29 | ○○○ | ××× | ||
2011年 | 36 | 30 | ○○○ | ××× |
10ヵ年計画については、以前、羽生章洋氏のはてなダイアリーで公開されていた*1のだが、現在は移転されたため残念ながら見ることができない。ただ、同氏の以下の書籍を読めば載っているので、参考にして欲しい。
この書籍には、10ヵ年計画だけでなく、問題分析の方法や計画の立て方なども載っているので、大変お勧めだ。余裕のあるかたは、来年の目標設定の前に読んでみるといいかと思う。
さて、10ヵ年計画を立てる際のポイントだが、以下の点を考慮したい。
- 理想の状態になることを妨げているものは何か
- 人は1年でやれることを過大評価し、10年でやれることを過小評価する
- 成長や成功の進捗は直線ではない
1つずつ説明する。
理想の状態になることを妨げているものは何か
ゴールを明確にしたときに、自分にとって望ましい状態は分かったはずだ。では、そこにたどり着くために障害となりそうなことは何だろうか。もしゴールに到達できないとしたら、何が原因になるだろうか。それが自分を留めている不安であり、それを顕在化することで対処もまた可能になる。必要であれば、そこから5Whyなどの掘り下げをするといい。
見つかった不安や問題は、ダウンサイジング(分解して小さくする)等の対処をしながら、Step by Stepでクリアしていくように計画に盛り込んでいく。他にも、前に進むために必要なリソースを見つけ出し、それを獲得するように計画を作成してもいい。ここでいうリソースとは、
- 時間
- 知識
- スキル
- お金
- エネルギー
である。
人は1年でやれることを過大評価し、10年でやれることを過小評価する
目標を設定したことある人で、一年間の目標を立てたはいいが、とてもじゃないが達成できなかったという人はいないだろうか。どうも、人は1年で自分がやれること過大に評価してしまうようである。一方で、10年という期間になると、自分のできることを過小に評価してしまう、ということを聞いた。
ゴールへの到達に必ずしも10年かける必要はないと思うが、大きすぎるから無理だろうと思えるような目標については、10年かけて取り組んでみてはどうだろうか。
成長や成功の進捗は直線ではない
そして10カ年計画を作成するときに忘れてはならないことは、
- 成長や成功の進捗は直線ではなく、曲線を描く
ということだ。下の図を見て欲しい。これは、ゴールへ直線的に進んだ場合のイメージだ。私もそうだったが、マイルストーンを刻むときは、このように直線的な上昇をイメージしていた。
しかし、実際はどうも違うようである。下図のように、曲線的な上昇ラインになるらしい。確かに、過去上手くいったことを振り返ると、こちらの方がイメージに合う。
ここで重要なことは、直線的な進捗をイメージしながら、しかし実際は曲線で進捗した場合、想定よりも遅れが生じるということだ。それも大幅に。そうなったとき、大抵の人は
- ああ、この目標は自分には無理だったのだ
と思うのではないだろうか。よく書籍などで、
- 成功の秘訣は成功するまで止めないこと
というのをよく見かけるが、あれは曲線の底辺部分を越える前に止めるなってことなのだろう。これを踏まえた上で、マイルストーンを刻んでいきたい。
2009年まであと少し。良い目標を立てて新年を迎えたい。
*1:すごい数のブックマークがついていたので、知っている人も当然多いだろうけど