前回からの続きです。
今回も「思考は刺激反応連鎖によって自発する」についての話です。
少し復習しておきます。
まず、刺激反応連鎖とは、
前の行動をきっかけとして、連なるように次の行動が自発する
ことを言います。
思考の場合、「ある刺激」を元に「決まった思考のクセ」が起きやすい、ということが言えます。
例えば、
条件:部長が客先から戻ってきた。
思考:確か先週もめてた案件の打ち合わせだったな。
思考:心なしか機嫌が悪そうに見える。
思考:近くにいると八つ当たりされるかもしれない。嫌だなぁ。
といった思考をするかもしれません。
こういった思考は、自己ルールの生成も同時に行っています。
- 先週もめてた案件の打ち合わせだから、機嫌が悪いはずだ
- 機嫌が悪い部長の近くにいると、八つ当たりされるかもしれない
などです。
そして、私たちはルールに沿った行動を取ろうとしますので、生成されたルールに従い、次のような行動を取るかもしれません。
行動:タバコを吸いに行く
結果:部長の八つ当たりを避けることができた!(と思い込む)
さて、長い前振りは終わりにして、今回の本題に入ります。
このようなメカニズムが分かったところで、これをどうすれば私たちの日常の改善に役立てることができるのでしょうか。
思考も行動ですので、行動を変えるためのポイントは2つです。
即ち、「条件を変える」または「結果を変える」です。
今回は、「条件を変える」について見ていきたいと思います。
「思考の刺激反応連鎖」に問題があるとすれば、
- それは「ある条件」に対して「問題のある思考パターン」が自発している
ということだと思います。
条件を変えるといっても、この「ある条件」を無くすことを考えるのではなく、「ある条件」が発生しても、違う思考パターンを自発するにように、新たな条件を付加していくことを考えてみます。
人は、同じ刺激(条件)に対しても、その時の状態によって、自発する思考パターンが変わります。
例えば、これから友人に会うという場合でも、
- 元気でポジティブな状態
と
- 疲れていてネガティブな状態
では、自発する思考パターンが異なるはずです。
つまり、適切な思考パターンを生み出す「状態」があるのではないかと。
好きなように自分の状態を変えて、それに連なる思考パターンを利用することが可能であれば、有効な方法の1つになりそうです。
状態を変えるための方法は、幾つかあります。
- 外的な刺激に条件付けされた感情を利用する
- 言語に条件付けされた感情を利用する
- 身体的な動作に条件付けされた感情を利用する
どの方法も、まずは感情を良い状態にすることが共通しています。
一番手軽なのは、外的な刺激を使った状態変化でしょうか。
自分が気分の良くなるアイテムなどを使います。
例えば、
- 気分が盛り上がる音楽
- 美味しいちょっとしたお菓子
- 家族の写真
- アロマの香り
などです。
効果が限定的、飽きが来るといった欠点はあるのですが、手軽に使える状態変化の方法だと思います。
他の2つの方法のサポートとして使うと良いかと。
長くなってしまいましたので、残り2つについては次回。