これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

具体性テストをパスすることで、行動の分析をはじめられる。

 ABA-LABO読書会から、面白い部分をテキストでピックアップ!第2回目『メリットの法則』読書会の58:30付近から。

https://www.youtube.com/watch?v=mo3G3iTK19c#t=58m30s

 

登場人物:榎本、齊藤、塚本、矢野(五十音順、敬称略)

 

矢「個人的に思うのは、考えるとか思い出すっていう思考系の行動があったとしても、それって、ええと、何て言ったら良いかなあ…。」

榎「具体性っていう概念とか、そういう物ではないと。思考に関しては。」

矢「それは別に、分析の対象にする必要が無いのかなって思うんです。」

榎「あ、うんうん。そうですね。」

矢「つまり、考えるとかって強化されないんですよね。まあ、されるんでしょうけど、何て言ったら良いのかな。」

矢「「体験は生み出さない」って言ったでしょ、さっきの、齊藤さんの…、」

齊「ああ。」

矢「(齊藤さんの手元の資料を指差しながら)これにはならない気がするんですね、いくら考えても。」

榎「そうそうそう。分かります、分かります。」

齊「うーん。」

榎「そうなんですよ。だからここをクリアするものだけに着目してやる方が、良いって事?ちょっと違う?」

矢「考えただけで環境からのフィードバックって返って来ないじゃないですか。」

一同「うんうん。」

榎「そうですね。」

矢「例えば考えた事を発言したら、それはフィードバック返って来るんで。」

齊「うんうんうん。」

榎「行動ですかね。行動の科学ですから、あくまで。」

齊「周囲との関係っていうか…。」

榎「出力が大事。」

矢「そうそう。結局の所、前回の話と似てるかもしれないんですけど、その人が行動する事によってどんな体験をするのかっていうのが、まず一番の目的だと思うんですよ。」

齊「うんうん。」

矢「そういう意味でいうと、考えるっていう行動を分析したところで、その人の体験ってあんまり変わらないと思うんですよね。

矢「そうじゃなくって、外部に出て来るようなオペラント行動をしっかり対象として捉えて、そのオペラント行動とその人が凄く充実するような体験っていうのをくっつけて考える事が出来れば、行動分析学って凄く有効に働くのじゃないかな、と思ったりもします。」

齊「まさに最初の、さっき言ってた一番最初の体験を作ってまずやってみるってみたいな、それに近いですね。」

矢「ああ、そうそう。」

齊「そうすると死人テストは、行動かどうかを計る指標じゃないですか。」

矢「(うんうん)」

榎「そうですね。」

齊「具体性テストっていうのは、どういう位置付けになるんですか?」

矢「分析対象とするかしないかだと思います、僕の中では。」

齊「ああ、成る程。」

榎「そう、そうだと思いますね。はい。」

齊「「するかしないか」ですか?「できるかできないか」っていうのは?」

矢「ああ、「できるかできないか」でも良いと思いますよ。あ…、「分析して意味が有るか無いか」でも良いかもしれないです。」

齊「ああー。(うんうん)」

榎「分析対象にするには、ここから課題を分析しないと駄目って事ですよね。」

齊「そっか。そっかそっか。」

榎「うん。」

齊「ああ、なんかそうすると、手詰まりになるんじゃないか。」

榎「例えば、例えばどうでしょうね…。試験勉強する、もしくは破壊行為をする?どれが良いかな…。」

齊「はい。」

榎「試験勉強をするっていうので。試験勉強をしないって人が居る。でもするようにしたい。」

矢「じゃあ試験勉強をするようにするにはどうしようっていっても、ここ(本を指差しながら)、これでは具体性テストをクリアしてないんで、アプローチが出来ないんです。」

齊「うんうん。」

榎「要は、もしかしたら字が書けないのかもしれない、問題を持ってないのかもしれない。」

齊「うんうん。」

榎「っていう所の、更に具体的に。試験勉強の内の、これをどんどん課題分析して、出来ないのは何処なのか、何処を強化したいのかっていう所にアプローチする為には、具体性テストをクリアしなきゃいけない。」

一同「うんうんうん。」

榎「っていう事かなと。これは行動の集積なんですよ。要は具体性テストをクリアしないやつは。行動の集積というか…。」

矢「パフォーマンス。」

榎「パフォーマンスです。」

齊「こここ、こんな…。(両手で大きな円を作る手振り)」

矢「そんな感じ、そんな感じです(笑)」

榎「いくつかの行動が集まってやっている事、かな。」

齊「はあー。」

榎「「自転車に乗る」は、どうかな。具体的に…。」

齊「ああ〜。」

榎「まあ、それだけ言っちゃうと、これもね…。」

矢「ああ、具体性ってレベル感がありますからね。」

榎「レベル感がありますからね。」

齊「確かに。」

榎「自転車に乗れない・乗れるじゃなくて、漕げる・漕げないって段階なのか、サドルに乗れる・乗れないって段階なのかっていうのがある訳で。」

矢「補助輪が有りなのか無しなのか、とか。」

榎「そうそうそう。」

齊「うんうん。そういうのには確かに具体性は無いですね。」

矢「多分、分析するのに必要なだけの具体性を求めるって感じなんですかね。」

榎「そういう事だと思いますね、具体性っていうのは。突き詰めればもっといっぱいありますからね。指を動かすから始まって。」

齊「うんうんうん。」

榎「本当はバーッと無断階ぐらいにあるんでしょうけれども、ビデオクリップで分かる段階までやるっていう。そうすれば、まずはやり易いんじゃないか。」

矢「ふんふんふん。」

榎「破壊行為…。破壊行為は具体的に…、うーん。」

齊「何を、どう壊すかが分からないって事ですか。」

榎「その下にあるやつ。例えば清潔にするとか、こういうのは良いと思うんですよね。非常に分り易い。」

矢「よく清潔にするって、多分これ行動ですかどうですかって、一般の人って言ったらアレですけど、大体行動って言うと思います。九割九分…までいかないにしても。」

齊「うんうん。」

榎「あとは、清潔にするとか…、あとは何でしょうね。」

齊「この間、バイクのタイヤを交換しに行った時に、「新しいタイヤなんで慣らし運転して下さい」って言われたんです。」

榎「ああー。」

矢「うんうん。」

齊「慣らし運転って何だろうって(笑)」

榎「そうですよね。そうそう、そういう感じ。「完成させる」とかね。」

齊「なははは。」

矢「ああー、確かにそういうのありますね。」

榎「「ダイエットする」もそうなんですよ。「ダイエットする」って行動だって大体の人は言うんです。でもビデオクリップ方式をクリアしてないんですよ。」

齊「うん。」

榎「走ってるっていうふうに、状況なのか食事制限してるのか、トレーニングしてるのかって、色々な行動が集まって「ダイエットしてる」っていう感じかな。私のイメージだと。」

矢「「ダイエットする」はパフォーマンスである、と。」

榎「パフォーマンス。行動ではない。行動の集積がパフォーマンスであると思ってますね。」

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