これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

読書会『メリットの法則 行動分析学・実践編』の第5章

メリットの法則読書会も5回目です。月1で開催しているので、5ヶ月続いたってことですな〜。いつも楽しい時間にしてくれるメンバーに感謝です。

今回の第5章は「行動の機能」がテーマ。行動はその形態(見た目)よりも、機能を見ることが大切だという話。

 

僕たちはしばしば行動を形態で捉えがちです。つまり、外部からみてどんな動作をしているのかといったような、外見的特徴で行動の意味を判断してしまいます。例えば、

  • 「忙しくてこの仕事ができませんでした」と訴える部下の発言を受けて、作業負担の見直しをする

といったものが、行動(この場合は言語行動)の形態を捉えて反応してしまう例です。

しかし、行動の意味を正しく捉えるためには、その形態ではなく機能の方を分析しなければなりません。機能を分析するためには、まず、その行動によってどのような変化が起きているかを観察します。例えば、

  • 「忙しくてこの仕事ができませんでした」と訴える部下の発言の後、上司から叱られずに済んでいる

のであれば、この行動の機能は「上司から叱られる事態を回避する」ことにあるのかもしれません。

もちろん、これはあくまでも可能性であって、本当に叱られることを回避するためにこの発言をしたかどうかは、更なる観察や分析が必要です。本当に作業負担が不味かったのかもしれませんしね。

ちなみに、僕のこの文章を読んで、今後「忙しくて〜」の発言を聴いた時に「叱られたくないだけだろう!」と断じてしまうのも、形態から行動の意味を判断していることになりますので注意してください。

大切なのは、行動の前後でどんな変化が起きているかを観察、分析することです。もしかしたら、上司のマネジメント能力の低さをカバーするために、部下なりにアラートを出しているのかもしれません(・∀・)

 

といったようなことを話した読書会でした。その模様は、下記の動画をご覧ください。

 

 

 

読書会に使っている書籍はこちら。

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)